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遺伝病について
2018 / 08 / 01 ( Wed )

良心的なブリーダーは遺伝病撲滅のために愛犬の遺伝子検査を受けます。
しかし、検査結果がノーマル(正常型)であったからといって、正常型の
遺伝子を持つ親犬から生まれた子犬があたかも将来、遺伝病を発症しないかのように
飼い主様にお話しするなら、それはあまりにも「無知」だと言わざるを得ません。

たとえばPRA(進行性網膜委縮症)。
これについては学術セミナーで大学病院の先生が書かれた文献を読みましたが
今現在見つかっている遺伝子以外にも(PRAを引き起こす)複数の遺伝子があると
考えられていること、PRAと非常に良く似た眼の疾患が報告されている事、などが
詳しく記されています。加えて、国内検査機関でも  このような見解 が示されています。

・・・ 引用ここから ・・・
進行性網膜萎縮症(PRA)は、網膜が変性退化し萎縮し続ける遺伝性の眼疾患である。
症状は、夜盲症に始まり、次第に視力が低下し最終的には失明に至る疾患である。
遺伝子検査は診断の補助的な検査として有用である。

【原因遺伝子と対象犬種】
1) RPGRIP1: Retinitis pigmentosa GTPase regulator-interacting
   protein 1
ミニチュア・ダックスフンド
2) PRCD: Progressive rod-cone degeneration
ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、
イングリッシュ・コッカスパニエル、アメリカン・コッカスパニエル、
オーストラリアン・シェパード、トイ・プードル、 ミニチュア・プードル

【検査結果】
1)発症(アフェクッティド)
臨床症状が伴う場合には、発症している可能性が高いと言える。
ただし、RPGRIP1もしくはPRCD遺伝子変異はPRAの原因の一つであるが、
全てのPRAの発症を制御しているわけではない。
つまり、発症/アフェクテッドであっても発症しない個体が存在し、
発症には RPGRIP1もしくはPRCD変異以外の因子が関わっていると考えられている。
遺伝子検査のみからPRAを診断することは困難であるため、
臨床症状とあわせて診断する必要がある。

2)キャリアー
発症の可能性は低いと判定さるが、完全に否定するものではない。
繁殖に供する場合にはパートナーの変異の有無について注意する必要がある。

3)変異なし
発症の可能性は低いと判定されるが、完全に否定するものではない。
・・・引用ここまで ・・・


また、ペンヒップ検査(後ろ足の関節の検査)では、アメリカの検査機関に犬を送り
現地で最も高い評価=【VERY GOOD】と判定されたプードルから生まれた子犬が、
先天的に関節に問題を抱えていた例を身近に知っています。

生き物に【絶対】はありません。
私達ブリーダーは可能な限り遺伝子検査をし、遺伝病撲滅のための努力を
決して怠ってはなりませんが、「検査をした親犬の子だから大丈夫だ」と
飼い主様に誤解を与えるような説明は厳に慎まなければなりません。
検査を受けるのは狂犬病の予防注射同様、繁殖者としての最低限の義務であり、
自慢できる事では無いし、ましてや(検査は)子犬に付加価値を付けるものでは無い。

神でない人間ゆえ、生き物に対して【絶対】の保障などできるはずがありません。
それを飼い主様に正確に伝える事こそが“本当の意味での誠実さ”だと考えます。 
「私の子犬は大丈夫です、安心してください。」カンタンにそう言える繁殖者はマユツバもの。
私は、まずリスクから重点的にお話します。私の話を正確に受け取って頂くためにも
「小さいプードルをお探しの方はご自身でもよく勉強してください。」とお願いしています。 

膝蓋骨脱臼に関する記事は  こちら をお読みください。




※この記事は2015年6月に作成しました。


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