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脳内プードル
2018 / 04 / 06 ( Fri )

ごくごく少数ではありますが、、、一定の割合で確実にいらっしゃいます。
この世に存在しない 『脳内プードル』 をお探しの方・・・。
彼女たちには共通点があり、ご見学時のお話しやメールを交わす中で
何となく解りますので、申し訳ありませんが私はやんわりとお断りします。

では、ブリーダー達が言う 『脳内プードル』 とはいったい何でしょう?

実際にたくさんの子犬を見て目を肥やし、自分の中で理想のプードルの姿を構築することは
大変素晴らしい事です。犬に限らず、数多く見ればホンモノを見る目が確実に養えますし、
そうする事によって自分が本当に求めているプードルのタイプがはっきり見えてきます。
ですので私達は「ぜひ1頭でも多く(生身の)プードルをご覧になるよう」お勧めしています。

しかし、脳内プードルをお探しの方は違います。
「絶対に失敗したくない」との強い思いから、(将来サイズなどが)確定していて、
自分が納得できる子犬を(私から見れば異常な執念をもって)何年も何十ヵ所も
お探しになります。※販売者や繁殖者はブリーダージプシーさんと呼んで敬遠します。
実際に見学に行かれることもあるかもしれませんが、たいていの場合
探す手段はネットか雑誌です。つまり、画像だけ。生きて動かないもの、です。
頭の中でご自分のイメージだけがどんどん膨らんでいき、どんなに愛らしい子犬を見ても
欠点があるような気がして、結果、どの子もご自身の脳内で作り上げた「理想の子」には
合致しないのです。
多くのブリーダー達が「〇年探しているが、未だに(理想の子犬が)見つからない」と
おっしゃる方との商談を億劫がり、避けたがるのは、こういった理由からです。
彼女たちは「子犬を探す過程」や、ブリーダーに「自分が探している理想の子犬」
についての「話をする事」を楽しんでいるのです。旅行に行く前でプランを立てて
いる段階、新しいお洋服を選んでいる時(買うまで)の楽しさ・・・と言えば、
女性の方にはご想像頂けるでしょうか?

このような状態に陥ってしまった方は、とても不幸だと私は思います。
「もっといい子がいるかもしれない」と妄想を追い、この世に居ない脳内プードルを
何年も探して探して「それでも見つからない」と言う人は何か大きな落し物をしているような
気がします。数ミリ単位のお鼻の長さ、生後40日時点での数十グラムの体重差、
足が1センチ長いか短いか、そういう事ばかりにこだわって最も大事な全体を見られない。
全国のブリーダーが一堂に会して、それぞれに自分の自信作をご覧に入れても、
彼女たちが納得する子犬はたぶん見つからないでしょう。
だって、探しているのはこの世には存在しない「脳内プードル」ですから。

家族の一員として子犬を迎える場合、通常考えられる範囲をはるかに超えたこだわりをもって、
何年も何十ヵ所も子犬を探す行為自体、尋常ではないと私は考えます。
仮に奇跡的にそのような方が私の子犬を望んでくださったとしても、私は売らないでしょう。
価値観が違うからです。大切に育て上げた子犬を安心して託せるとは到底思えないからです。
数十万程度のお金欲しさに(子犬を売るかどうかを)迷うことは私は絶対にありません。


話が横道に逸れますが、
私は元々ショードッグのブリーディングに関わってきました。
ですので、子犬の分譲をお金儲けとは全く考えません。ショードッグの世界では数百万の
メスに数十万の交配料をオスに支払って生まれた子犬をショーデビューまで1年近く育てても
結局モノにならず、成犬なので売る事もできず、タダで差し上げることが日常的に起きます。
そういうこと(経済面)を気にしていたら、ショーを勝ち上がる良い犬は作れないのです。
時に「ブリーディングは道楽だ」と言われるのは、そのような側面があるからだと思います。
そんな背景から、私は自分の目に完璧に近いと思えない子犬は分譲し(代価を頂き)ませんし、
どんなに大金を積まれても(と言っても数十万ですが)価値観が違う方には子犬を売りません。
これは私の、どうしても譲れないブリーディングポリシーのひとつです。

話を戻します。
ある程度のお顔の好みは誰にでもあります。
生涯に何頭も飼えない子犬ですから、自分や家族が気に入る子を選びたいと思うのは
人情で当然です。もちろん、それは否定しません。
けれども、子犬を選ぶ要素が≪ただそれだけ≫であって欲しくないと思います。
人が将来の伴侶を選ぶにあたって容姿だけで決めないように、性格や健康はもとより
外見においてもボディの骨格構成や毛質、(色素などの)健全性もしっかりご覧になり
バランスの取れた見方(子犬選び)をしてほしいな、と思います。

プードル種の中でもマイクロサイズなどは、そのステータス性の高さから
飼い主様の自尊心を満たす目的で、より完璧な子をお探しの方が多い気がします。
「購入資金で無理をする人に限ってその傾向が強い」と展覧会仲間が言いましたが、
当たらずといえども遠からずだと私も思います。


余談ですが・・・
安い子犬をお探しの方を「悪い」ように言う販売者がいます。
とんでもない話です。将来サイズに異常にこだわらず、お手頃価格で私の子犬を
お迎えくださる方の多くは手厚い動物保険にご加入くださいますし、フードや用品も
子犬のために備えてくださり、さらに殺処分を待つばかりの犬達にも温かいお心(募金)を
お寄せくださいます。私はこういう飼い主様にこそ喜んで頂きたくて、できる限り
お手頃価格で、健康で性格が良く愛らしい子犬を日々一生懸命ブリーディングしています。
私の子犬を喜んでお迎えくださる方にお譲りすることに、繁殖者としての喜びを感じます。


最後に・・・
当ケネルでは「脳内プードル」をお探しの方のご期待にはそえません。
〇年探しても理想のプードルに出会えなかった方は当ケネルでも出会えません。




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