FC2ブログ
膝蓋骨脱臼について
2018 / 05 / 01 ( Tue )

膝蓋骨脱臼は先天性・遺伝性の疾患であり、
両親犬の検査をすれば即座に防げるものである、との
間違った認識をお持ちの方がいらっしゃるようですので、ご参考までに。

遺伝性の可能性がある疾患の中には、一部のPRA(白内障)のように
DAN鑑定などでほぼ確実に予防できるものもありますが、
膝蓋骨脱臼に関しては予防のための検査方法がありません。
私も含め、犬質向上と遺伝性疾患の撲滅に熱心なブリーダーは
当然、個体そのものに問題を抱えた犬を繁殖に用いませんし、
遺伝性疾患を発症したラインはことごとくクローズしています。
それでも、500年の歴史を持つプードル種の発祥からあったとされる
犬種特有の弱点(膝蓋骨脱臼を起こしやすい)を無くす事は難しいのです。

下記で獣医が言うように、≪パテラの心配のある個体を親にするのはやめて
心配のない個体を繁殖用に用いること≫は真摯に繁殖に取り組むブリーダーには
当たり前中の当たり前であって、もちろん当ケネルもそのようにしています。
プードル種の成長過程における膝蓋骨脱臼の経緯には次の4つがあります。
●分譲直前健診で(膝蓋骨に)問題なし → 後々も全く問題なし。
●分譲直前健診で(膝蓋骨に)問題なし → 後々、(膝蓋骨が)緩む → 手術
●分譲直前健診で(膝蓋骨に)緩み   → 後々の筋肉強化に伴って大幅に改善
●分譲直前健診で(膝蓋骨に)緩み   → 後々、(膝蓋骨が)さらに緩む → 手術



JAHD 日本動物遺伝病ネットワーク では膝蓋骨脱臼の予防(検査)方法が
あるかのような説明が、ホームページでなされていると私は認識しましたので
これについて展覧会場ブースで質問してみました。
会場では即答が得られませんでしたが、以下に回答が寄せられました。
※2003年6月現在、私が質問した膝蓋骨脱臼に関する記事は削除されています。
回答メールは専門ブリーダーには解りきった内容ですが、引用しておきます。


----- Original Message -----
Date: Mon, 18 Mar 2013 14:29:44 +0900
From: "三井功"
To: twinkle_swaro@mail.goo.ne.jp
Subject: Re: 遺伝病の検査について
三好様
お返事が大変遅れてしまい申し訳ありませんでした。獣医師の三井です。
HPへの問い合わせは定期的にはチェックしているのですが、
ここのところ年度末で忙しくてチェックが遅れてしまいました。
失礼いたしました。ドッグショーでお会いしたのですね。
有難うございます。おそらくは私がボランティアとして
NPO 日本動物遺伝病ネットワーク(JAHD)のブースの手伝いをしていた際に
お話ししたかと思います。JAHDの学術賛助会員としてお手伝いしています。

膝蓋骨脱臼(パテラ)と股関節・肘関節につきましては、確実に診断できる検査は
残念ながらありません。
(生き物ですから確実ということはありえないのですが)
理由は原因となる遺伝子が解読されていないか複数の遺伝子によって
その問題症状となることによります。
結果として単純にひとつの遺伝子の検査結果だけでは診断できないということです。
ではどうしたらよいかといいますと、大きな視点でとらえてそのような症状を出した
系統はブリーディングに使わないということを繰り返すしかありません。
(以下発信者側のセールストークのため省略)
関節をはじめとする他の遺伝病の状態が近縁で発症していない親から
ブーディングを行えば多くの遺伝病は心配したり、子を販売してから苦情や補償を
したりすることもなく、何より苦しむ子犬がいなくなります。が、それは理想論です。
しかしパテラに心配のある個体を親にするのはやめて心配のない個体を繁殖用に
用いることは大切であると思います。
おそらく三好様はそれを見極めるためにパテラの診断のできる検査について
知りたかったものと思いますが。どうぞこれからもお気軽にご相談ください。

2013年2月16日 1:53 twinkle_swaro@mail.goo.ne.jp
> ドッグショー会場のブースでお見かけした際に「膝蓋骨脱臼(パテラ)について、
> 遺伝病の検査ができるかどうか」をお尋ねした三好です。
> その際「股関節形成不全の遺伝病は検査ならできるが、
> パテラは検査できない」とのお返事を頂いたように記憶しております。
> 先ほど貴HPを拝見し、パテラの遺伝子検査ができるようですので
> その検査により、遺伝的にパテラを持った子犬が確実に
> 産まれない検査であるなら、ぜひ在舎犬すべてを受けさせたいのですが
> この件についてお返事を頂けましたら幸いです。
> どうぞ宜しくお願いします。

ネイチャーズクオリティ 獣医師 三井 功
URL:http://www5.ocn.ne.jp/~nquality/toppageframe.html

situgaikotu.jpg



遺伝性網膜委縮症 (PRA) については  こちら  をお読みください。


※この記事は2013年に作成しました。

  

病気/お悩み admin page top↑
* HOME *