年々増加!ペット購入トラブル
年々増加!!ペット購入時のトラブル
ご参考までに。
※は当ケネルからのアドバイスです。
消費生活センターにおける 主な相談事例
【事例1】
購入時に健康状態の説明は一切なく、後日先天性の心臓病が判明した。
先月、ブリーダー紹介サイトで好みのチワワを見つけた。
ブリーダーと数回やり取りしたところ、「まだ掲載していない希少な毛色の
チワワがいるので見に来ないか」と連絡があり、ブリーダーを訪ねた。
狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、
子犬が多数暮らしていた。子犬を見せてもらうと、元気に走り回っていた。
子犬が気に入ったので、その場で約 80万円を支払い、引き取ったが、
健康状態の説明や契約書の交付は一切なく、領収書を渡されただけだった。
数日後、ワクチンを打つために動物病院に行くと、
「この子犬は先天性の心臓病を患っている。病気だから他のチワワより小さいし、
1年も生きられないだろう」と言われた。ブリーダーに連絡すると
「返品してくれれば全額返金する」と言われたが、愛着が湧いているので
返品ではなく治療費を支払う対応を取ってほしい。どうしたらよいだろうか。
(2021 年8月受付 40 歳代 女性)
※契約前に信頼できる動物病院発行の健康診断書を受け取りましょう。
補償内容は契約書でしっかり確認しておくこと。
【事例2】
事務所は足の踏み場がない状況で、不衛生であり、購入した犬からも
悪臭がした。ネットで検索し、口コミがよかったブリーダーに問い合わせ、
約 10万円の犬を希望した。その後、実際に事務所に訪問した。
欲しい犬は悪臭がしていたが、顔が可愛かったので購入を決めた。
事務所には他にも狭いケージに入った犬が数匹いて、
足の踏み場がない状況で、臭いがきつく不衛生だった。
契約書は受け取っておらず、販売に関しての情報提供と書かれた説明書を
もらっただけだった。ところがその後、犬が下痢をしてその翌朝には
ぐったりしていたので動物病院に連れていった。着いた時には心肺停止で、
蘇生措置をしたが死亡した。ブリーダーに電話すると返金や
代替の犬で対応すると言われたが、その後「当方の獣医師の判断により、
補償対象外なので補償はしない」とメールが届いた。納得できない。
(2021 年7月受付 60 歳代 女性)
※犬の価格にはある程度の「相場」があります。相場から極端に安い犬は
先天性疾患や繁殖者しか知らない遺伝性疾患持ちの可能性が高いです。
【事例3】
ブリーダーと連絡を取る手段がなくなり、血統書が受け取れない。
半年前インターネット広告を見て実際にブリーダー宅で子猫を購入した。
血統書は去勢したら渡される約束になっていた。来週去勢予定なので、
ブリーダーに電話をしたが現在使われていないとのアナウンスが流れた。
SNS のアカウントも退会されており、ブリーダー紹介サイトからも情報が
削除されていた。連絡方法がなく困っている。
(2021 年5月受付 20 歳代 女性)
※SNSで売買する売り手の大半は行政に「動物取扱業登録」をしない、
いわゆるモグリ業者です。ケネル所在地や責任者氏名はネット上に
開示義務がありますので、非開示の違法業者から買ってはいけません。
【事例4】
トラブル解決のため、ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたところ、
利用規約に売買には関わらないと書いてあった。
ブリーダー紹介サイトで、気に入った子猫を見つけて問い合わせをした。
「他に購入希望者がいるが、約 50万円の半額を内金として入れてくれれば
予約済みとしておく」と言われ、入金した。
その後、遠方のブリーダーのところに出向いて猫を受け取り残金を支払った。
1週間後、猫が突然呼吸困難になったので医者に連れていくと、
先天性の病気だと診断を受けた。猫を返そうとは思わないが、ブリーダーには
憤りを感じる。ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたが、
利用規約では「売買には関わらない」となっている。どうしたらよいか。
(2021 年4月受付 40 歳代 男性)
※仲介サイト経由であってもブリーダーときちんとした売買契約を交わす事。
※過去に外国から輸入した粗悪なワクチンを自分で接種し、客を騙して
ワクチン代をせしめ、薬事法違反で逮捕された悪徳ブリーダーが今現在も
ポータルサイトで飼い主様を募集しています。
ブリーダー実名
薬事法ドットコム 今も営業中の店舗名
※ニュースでも実名報道されており、名誉棄損には当たりません。
【事例5】
生まれる前の犬を解約したところ、高額な違約金を求められた。
2週間前にネットで、生まれる前の豆柴犬を予約販売するサイトを見つけた。
1週間前にブリーダーを訪ね内金6万円を支払って契約した。豆柴犬本体は
60万円で基本訓練やマイクロチップ装着費用、避妊手術代で合計金額は
約 80万円だった。契約後自宅に帰ったところ、家族に反対されたので
解約することした。その旨を2日後にブリーダーに申し入れたところ、
契約に従い契約代金総額の3割である約 25 万円を違約金として支払うよう
求められた。確かに契約書にはその旨の記載があるが、消費者にとって
不利な条項だと思う。何とかならないか。
(2021 年4月受付 60 歳代 男性)
※これは買い手様の落ち度では?
【事例6】
子猫の購入予約を翌日キャンセルしたところ、予約金は返金できないといわれた。
1週間前、ブリーダー紹介サイトに掲載されていた生後2か月のメス猫が気に入り、
サイトを通じて子猫の見学を申し込むとブリーダーから希望日時の見学を
承諾したとの返信があった。その際、子猫の販売は猫舎を見学した順ではなく
購入予約した順で決まる、購入予約金5万円を振り込んだ人が優先で、
他の客から先に予約金が払われた場合は紹介ができなくなるのであらかじめ
ご了承ください、と書いてあったので、その日の夜、ブリーダーの口座に
5万円を振り込んだ。しかし、都合で猫が飼えなくなり翌日キャンセルの連絡をすると
5万円の購入予約金は一切返金できないと返信があった。
返金しない理由をサイトに聞くと「予約金の取り扱いはブリーダーごとに決めており、
ブリーダーの子猫紹介ページに掲載されている。ブリーダーはその内容に沿って
対応している」との回答だった。予約金は返金されないのか。
サイト上でブリーダーと予約金についてやり取りをした際には、
返金しない旨の説明はなかった。
(2021 年4月受付 40 歳代 男性)
※当ケネルは約束日時にご来舎頂けない場合はペナルティとして
手付金は返金しませんが、子犬を見てお気に召さない場合は
(今後、お付き合いしない条件付きで)全額返金致します。
相談事例からみた問題点
(1)ブリーダーの説明や対応に問題があるケースがある。
①健康状態等の説明が行われていない、契約書が渡されていない。
動物愛護管理法では、ブリーダーは事業所において、購入予定者に
動物の状態を直接見せ、さらに、当該動物の健康状態や飼い方など
18項目の必要な情報について、文書やデジタルを用いて対面で説明し
確認の署名等をもらうことが義務付けられていますが、健康状態の説明は
一切なかった(事例1)などブリーダーからの説明が不足しているケースが
みられます。また、契約書の交付がなかった(事例1)、
契約書は受け取っていない(事例2)など契約書が交付されていないケースが
みられます。契約書が交付されていなければ契約内容を後日確認することが
困難となります。加えて、引渡し後に病気が判明した際、
その対応(契約内容)を巡ってさらなるトラブルとなるおそれもあります。
②病気が判明した際の対応はブリーダーごとに定めており、消費者が望む
対応が受けられない。 ペットは生き物であり、引渡し直後に死亡する、
先天性の病気が見つかる、感染症に罹患するなどの事態は起こり得ます。
病気が判明した際の対応はブリーダーごとに定めており、対応が異なります。
そのため、治療費を支払ってほしいのに返品返金対応を提案された(事例1)、
補償対象外と言われた(事例2)など消費者の希望する対応が受けられない
ケースがみられます。
③ブリーダーが消費者との約束を果たさない。
去勢後に血統書を渡される約束だったのに連絡が取れなくなった(事例3)
のように、引渡し時に約束をした事項が果たされていないケースがみられます。
ブリーダーと連絡が取れなくなると話し合いや交渉をすることもできず、
解決を図ることは難しくなります。
(2)現物確認・対面説明を行う前に売買契約を結んでいるケースがある。
内金を入金してくれれば予約済みとしておくと言われた(事例4)、
生まれる前の生体を予約購入し、その2日後に解約を申し出たところ
高額な違約金を請求された(事例5)など、現物確認や対面説明を行う前に
売買契約を結んでいると疑われるケースがみられます。
動物愛護管理法では、事業者が動物を販売する際に、購入予定者に対して
あらかじめ現物確認と対面説明を行うことが定められています。
対面説明等を行わず、売買契約を結ぶ目的で内金を支払わせている場合は、
動物愛護管理法に違反している可能性があります。
また、犬猫の販売は生後 57日以降でなければなりません。
(3)飼育環境に問題があるケースがある。
狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、
子犬が多数暮らしていた(事例1)、狭いケージに入った犬が数匹いて、
足の踏み場がない状況で、においがきつく不衛生だった(事例2)など、
ブリーダーの飼育環境に問題があると疑われるケースがみられます。
動物愛護管理法では、定期的に清掃及び消毒を行うとともに、汚物等を
適切に処理するよう定められています。また、2019 年改正時には
遵守すべき7項目が規定されました。犬猫のケージ等の具体的な大きさや、
従業者1人当たりの犬猫の飼養保管頭数の上限などについて定められ、
順次施行されています。
(4)ブリーダー紹介サイトはトラブルが発生しても原則介入しない。
ブリーダー紹介サイトを通じてペットを購入した場合に、ブリーダーと連絡が
取れなくなった(事例3)、購入後に先天性の病気が見つかった(事例4)
といったように、ブリーダーとトラブルが発生しても、ブリーダー紹介サイトは
介入せず、当事者間で解決するよう求めているケースがみられます。
ブリーダー紹介サイトの利用規約では「当事者間のトラブルに原則として
介入しない」と定められていることもあります。
(5)消費者が自身の環境や、内容を確認せずに契約をしている。
①消費者都合でのキャンセルが発生している。
家族に反対されたので解約することにした(事例5)、予約金を支払った翌日に
都合で猫が飼えなくなった(事例6)など消費者の自己都合により
解約するケースがみられます。消費者都合のキャンセルの場合、一方的に契約を
解除することはできず、原則ブリーダーごとに定めた規約に従うことになります。
②キャンセル時の対応を確認していない。
「子猫の販売は予約金を支払った順で決まる」などと連絡を受け、予約金を
支払った後にキャンセルしたところ、予約金が返金されずトラブルになるケースが
みられます(事例6)。事例のように、ブリーダー紹介サイト上のページに
キャンセル時に予約金は返金しない旨の記載があるケースでも、ブリーダーと
直接やり取りする中で予約の仕組みを知った場合は、「他の人に渡ってほしくない」
などと気持ちが先行し、キャンセル時の取り扱いを確認することなく、
慌てて予約金を支払ってしまったという相談が複数みられます。
消費者へのアドバイス
(1)ブリーダーから購入する場合には信頼できるブリーダーから購入しましょう。
ブリーダーからペット購入を検討する際は、まずはブリーダーが第一種動物取扱業に
登録しているかどうかを確認してください。ブリーダー紹介サイトや SNS といった
インターネットを含めた広告にも、業者名、事業所の住所等の情報を掲載することが
義務付けられているので、確認するようにしましょう。
また、どのような環境で動物を育てているのか、ブリーダー宅を見てみましょう。
施設の清潔さや、動物の健康状態、親の体格や性格などできる限り確認し、
不安な点は質問しましょう。複数のブリーダーを比較し、信頼できるブリーダーから
ペットを購入するようにしましょう。購入前や購入時だけではなく、購入後も関係性を
築いていけるかどうかを意識してください。購入後に何か困ったことがあれば、
すぐに協力を求めることができるよう、近場のブリーダーを探すことも検討しましょう。
(2)予約金を支払う際はキャンセル時の対応を確認して慎重に検討しましょう。
現物を見る前に予約金を支払うことにはリスクが伴います。
実際に見たらイメージが違った、都合により飼えなくなったといった等、
自己都合のキャンセルの場合は返金されないことが多くあります。
キャンセルした際は支払った金銭は返金されるのかなど、キャンセル時の対応に
ついて確認してから支払うようにしましょう。「予約金を支払えば他の人に
渡らないようにする」と言われることもありますが、焦って決めるのではなく、
本当に自分が飼いたいのか、飼うことができる環境にあるのか、
慎重に検討してからにしましょう。
(3)購入する際は事業所で現物を確認し、対面での説明を必ず受けましょう。
購入する際は必ず事業所に出向き、直接動物の状態を確認するとともに、
動物愛護管理法に定める対面での説明をブリーダーからしっかりと聞いた上で、
現物に相違がないか確認し、よく理解してから契約するようにしましょう。
また契約書を交わすようにし、購入後に問題があった場合の保証内容や、
困ったことがあったらどこに連絡をすればいいのか等も確認しましょう。
(4)ブリーダー紹介サイトを利用する際は利用規約をよく確認しましょう。
ブリーダー紹介サイトの利用に当たっては、利用規約(トラブル発生時の
運営事業者の対応など)や禁止行為、トラブルが発生した場合の保証制度などを
よく確認・理解したうえで利用しましょう。
(5)ペットは生き物であることを十分に考慮し、安易な購入は避けましょう。
ペットは購入したら終わりではなく、飼い主はその命に責任を持って飼育を
しなければなりません。将来においても飼い続けることができるのか検討した上で
購入しましょう。契約する際は、自らの住居環境や生活環境に加え、家族の意思や
アレルギーの有無等も確認し、本当にペットを迎え入れることができるのか
よく考えてください。見た目の可愛さに一目ぼれして安易に購入することは避け、
冷静に考えましょう。
(6)不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談。
ご参考までに。
※は当ケネルからのアドバイスです。
消費生活センターにおける 主な相談事例
【事例1】
購入時に健康状態の説明は一切なく、後日先天性の心臓病が判明した。
先月、ブリーダー紹介サイトで好みのチワワを見つけた。
ブリーダーと数回やり取りしたところ、「まだ掲載していない希少な毛色の
チワワがいるので見に来ないか」と連絡があり、ブリーダーを訪ねた。
狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、
子犬が多数暮らしていた。子犬を見せてもらうと、元気に走り回っていた。
子犬が気に入ったので、その場で約 80万円を支払い、引き取ったが、
健康状態の説明や契約書の交付は一切なく、領収書を渡されただけだった。
数日後、ワクチンを打つために動物病院に行くと、
「この子犬は先天性の心臓病を患っている。病気だから他のチワワより小さいし、
1年も生きられないだろう」と言われた。ブリーダーに連絡すると
「返品してくれれば全額返金する」と言われたが、愛着が湧いているので
返品ではなく治療費を支払う対応を取ってほしい。どうしたらよいだろうか。
(2021 年8月受付 40 歳代 女性)
※契約前に信頼できる動物病院発行の健康診断書を受け取りましょう。
補償内容は契約書でしっかり確認しておくこと。
【事例2】
事務所は足の踏み場がない状況で、不衛生であり、購入した犬からも
悪臭がした。ネットで検索し、口コミがよかったブリーダーに問い合わせ、
約 10万円の犬を希望した。その後、実際に事務所に訪問した。
欲しい犬は悪臭がしていたが、顔が可愛かったので購入を決めた。
事務所には他にも狭いケージに入った犬が数匹いて、
足の踏み場がない状況で、臭いがきつく不衛生だった。
契約書は受け取っておらず、販売に関しての情報提供と書かれた説明書を
もらっただけだった。ところがその後、犬が下痢をしてその翌朝には
ぐったりしていたので動物病院に連れていった。着いた時には心肺停止で、
蘇生措置をしたが死亡した。ブリーダーに電話すると返金や
代替の犬で対応すると言われたが、その後「当方の獣医師の判断により、
補償対象外なので補償はしない」とメールが届いた。納得できない。
(2021 年7月受付 60 歳代 女性)
※犬の価格にはある程度の「相場」があります。相場から極端に安い犬は
先天性疾患や繁殖者しか知らない遺伝性疾患持ちの可能性が高いです。
【事例3】
ブリーダーと連絡を取る手段がなくなり、血統書が受け取れない。
半年前インターネット広告を見て実際にブリーダー宅で子猫を購入した。
血統書は去勢したら渡される約束になっていた。来週去勢予定なので、
ブリーダーに電話をしたが現在使われていないとのアナウンスが流れた。
SNS のアカウントも退会されており、ブリーダー紹介サイトからも情報が
削除されていた。連絡方法がなく困っている。
(2021 年5月受付 20 歳代 女性)
※SNSで売買する売り手の大半は行政に「動物取扱業登録」をしない、
いわゆるモグリ業者です。ケネル所在地や責任者氏名はネット上に
開示義務がありますので、非開示の違法業者から買ってはいけません。
【事例4】
トラブル解決のため、ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたところ、
利用規約に売買には関わらないと書いてあった。
ブリーダー紹介サイトで、気に入った子猫を見つけて問い合わせをした。
「他に購入希望者がいるが、約 50万円の半額を内金として入れてくれれば
予約済みとしておく」と言われ、入金した。
その後、遠方のブリーダーのところに出向いて猫を受け取り残金を支払った。
1週間後、猫が突然呼吸困難になったので医者に連れていくと、
先天性の病気だと診断を受けた。猫を返そうとは思わないが、ブリーダーには
憤りを感じる。ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたが、
利用規約では「売買には関わらない」となっている。どうしたらよいか。
(2021 年4月受付 40 歳代 男性)
※仲介サイト経由であってもブリーダーときちんとした売買契約を交わす事。
※過去に外国から輸入した粗悪なワクチンを自分で接種し、客を騙して
ワクチン代をせしめ、薬事法違反で逮捕された悪徳ブリーダーが今現在も
ポータルサイトで飼い主様を募集しています。
ブリーダー実名

※ニュースでも実名報道されており、名誉棄損には当たりません。
【事例5】
生まれる前の犬を解約したところ、高額な違約金を求められた。
2週間前にネットで、生まれる前の豆柴犬を予約販売するサイトを見つけた。
1週間前にブリーダーを訪ね内金6万円を支払って契約した。豆柴犬本体は
60万円で基本訓練やマイクロチップ装着費用、避妊手術代で合計金額は
約 80万円だった。契約後自宅に帰ったところ、家族に反対されたので
解約することした。その旨を2日後にブリーダーに申し入れたところ、
契約に従い契約代金総額の3割である約 25 万円を違約金として支払うよう
求められた。確かに契約書にはその旨の記載があるが、消費者にとって
不利な条項だと思う。何とかならないか。
(2021 年4月受付 60 歳代 男性)
※これは買い手様の落ち度では?
【事例6】
子猫の購入予約を翌日キャンセルしたところ、予約金は返金できないといわれた。
1週間前、ブリーダー紹介サイトに掲載されていた生後2か月のメス猫が気に入り、
サイトを通じて子猫の見学を申し込むとブリーダーから希望日時の見学を
承諾したとの返信があった。その際、子猫の販売は猫舎を見学した順ではなく
購入予約した順で決まる、購入予約金5万円を振り込んだ人が優先で、
他の客から先に予約金が払われた場合は紹介ができなくなるのであらかじめ
ご了承ください、と書いてあったので、その日の夜、ブリーダーの口座に
5万円を振り込んだ。しかし、都合で猫が飼えなくなり翌日キャンセルの連絡をすると
5万円の購入予約金は一切返金できないと返信があった。
返金しない理由をサイトに聞くと「予約金の取り扱いはブリーダーごとに決めており、
ブリーダーの子猫紹介ページに掲載されている。ブリーダーはその内容に沿って
対応している」との回答だった。予約金は返金されないのか。
サイト上でブリーダーと予約金についてやり取りをした際には、
返金しない旨の説明はなかった。
(2021 年4月受付 40 歳代 男性)
※当ケネルは約束日時にご来舎頂けない場合はペナルティとして
手付金は返金しませんが、子犬を見てお気に召さない場合は
(今後、お付き合いしない条件付きで)全額返金致します。
相談事例からみた問題点
(1)ブリーダーの説明や対応に問題があるケースがある。
①健康状態等の説明が行われていない、契約書が渡されていない。
動物愛護管理法では、ブリーダーは事業所において、購入予定者に
動物の状態を直接見せ、さらに、当該動物の健康状態や飼い方など
18項目の必要な情報について、文書やデジタルを用いて対面で説明し
確認の署名等をもらうことが義務付けられていますが、健康状態の説明は
一切なかった(事例1)などブリーダーからの説明が不足しているケースが
みられます。また、契約書の交付がなかった(事例1)、
契約書は受け取っていない(事例2)など契約書が交付されていないケースが
みられます。契約書が交付されていなければ契約内容を後日確認することが
困難となります。加えて、引渡し後に病気が判明した際、
その対応(契約内容)を巡ってさらなるトラブルとなるおそれもあります。
②病気が判明した際の対応はブリーダーごとに定めており、消費者が望む
対応が受けられない。 ペットは生き物であり、引渡し直後に死亡する、
先天性の病気が見つかる、感染症に罹患するなどの事態は起こり得ます。
病気が判明した際の対応はブリーダーごとに定めており、対応が異なります。
そのため、治療費を支払ってほしいのに返品返金対応を提案された(事例1)、
補償対象外と言われた(事例2)など消費者の希望する対応が受けられない
ケースがみられます。
③ブリーダーが消費者との約束を果たさない。
去勢後に血統書を渡される約束だったのに連絡が取れなくなった(事例3)
のように、引渡し時に約束をした事項が果たされていないケースがみられます。
ブリーダーと連絡が取れなくなると話し合いや交渉をすることもできず、
解決を図ることは難しくなります。
(2)現物確認・対面説明を行う前に売買契約を結んでいるケースがある。
内金を入金してくれれば予約済みとしておくと言われた(事例4)、
生まれる前の生体を予約購入し、その2日後に解約を申し出たところ
高額な違約金を請求された(事例5)など、現物確認や対面説明を行う前に
売買契約を結んでいると疑われるケースがみられます。
動物愛護管理法では、事業者が動物を販売する際に、購入予定者に対して
あらかじめ現物確認と対面説明を行うことが定められています。
対面説明等を行わず、売買契約を結ぶ目的で内金を支払わせている場合は、
動物愛護管理法に違反している可能性があります。
また、犬猫の販売は生後 57日以降でなければなりません。
(3)飼育環境に問題があるケースがある。
狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、
子犬が多数暮らしていた(事例1)、狭いケージに入った犬が数匹いて、
足の踏み場がない状況で、においがきつく不衛生だった(事例2)など、
ブリーダーの飼育環境に問題があると疑われるケースがみられます。
動物愛護管理法では、定期的に清掃及び消毒を行うとともに、汚物等を
適切に処理するよう定められています。また、2019 年改正時には
遵守すべき7項目が規定されました。犬猫のケージ等の具体的な大きさや、
従業者1人当たりの犬猫の飼養保管頭数の上限などについて定められ、
順次施行されています。
(4)ブリーダー紹介サイトはトラブルが発生しても原則介入しない。
ブリーダー紹介サイトを通じてペットを購入した場合に、ブリーダーと連絡が
取れなくなった(事例3)、購入後に先天性の病気が見つかった(事例4)
といったように、ブリーダーとトラブルが発生しても、ブリーダー紹介サイトは
介入せず、当事者間で解決するよう求めているケースがみられます。
ブリーダー紹介サイトの利用規約では「当事者間のトラブルに原則として
介入しない」と定められていることもあります。
(5)消費者が自身の環境や、内容を確認せずに契約をしている。
①消費者都合でのキャンセルが発生している。
家族に反対されたので解約することにした(事例5)、予約金を支払った翌日に
都合で猫が飼えなくなった(事例6)など消費者の自己都合により
解約するケースがみられます。消費者都合のキャンセルの場合、一方的に契約を
解除することはできず、原則ブリーダーごとに定めた規約に従うことになります。
②キャンセル時の対応を確認していない。
「子猫の販売は予約金を支払った順で決まる」などと連絡を受け、予約金を
支払った後にキャンセルしたところ、予約金が返金されずトラブルになるケースが
みられます(事例6)。事例のように、ブリーダー紹介サイト上のページに
キャンセル時に予約金は返金しない旨の記載があるケースでも、ブリーダーと
直接やり取りする中で予約の仕組みを知った場合は、「他の人に渡ってほしくない」
などと気持ちが先行し、キャンセル時の取り扱いを確認することなく、
慌てて予約金を支払ってしまったという相談が複数みられます。
消費者へのアドバイス
(1)ブリーダーから購入する場合には信頼できるブリーダーから購入しましょう。
ブリーダーからペット購入を検討する際は、まずはブリーダーが第一種動物取扱業に
登録しているかどうかを確認してください。ブリーダー紹介サイトや SNS といった
インターネットを含めた広告にも、業者名、事業所の住所等の情報を掲載することが
義務付けられているので、確認するようにしましょう。
また、どのような環境で動物を育てているのか、ブリーダー宅を見てみましょう。
施設の清潔さや、動物の健康状態、親の体格や性格などできる限り確認し、
不安な点は質問しましょう。複数のブリーダーを比較し、信頼できるブリーダーから
ペットを購入するようにしましょう。購入前や購入時だけではなく、購入後も関係性を
築いていけるかどうかを意識してください。購入後に何か困ったことがあれば、
すぐに協力を求めることができるよう、近場のブリーダーを探すことも検討しましょう。
(2)予約金を支払う際はキャンセル時の対応を確認して慎重に検討しましょう。
現物を見る前に予約金を支払うことにはリスクが伴います。
実際に見たらイメージが違った、都合により飼えなくなったといった等、
自己都合のキャンセルの場合は返金されないことが多くあります。
キャンセルした際は支払った金銭は返金されるのかなど、キャンセル時の対応に
ついて確認してから支払うようにしましょう。「予約金を支払えば他の人に
渡らないようにする」と言われることもありますが、焦って決めるのではなく、
本当に自分が飼いたいのか、飼うことができる環境にあるのか、
慎重に検討してからにしましょう。
(3)購入する際は事業所で現物を確認し、対面での説明を必ず受けましょう。
購入する際は必ず事業所に出向き、直接動物の状態を確認するとともに、
動物愛護管理法に定める対面での説明をブリーダーからしっかりと聞いた上で、
現物に相違がないか確認し、よく理解してから契約するようにしましょう。
また契約書を交わすようにし、購入後に問題があった場合の保証内容や、
困ったことがあったらどこに連絡をすればいいのか等も確認しましょう。
(4)ブリーダー紹介サイトを利用する際は利用規約をよく確認しましょう。
ブリーダー紹介サイトの利用に当たっては、利用規約(トラブル発生時の
運営事業者の対応など)や禁止行為、トラブルが発生した場合の保証制度などを
よく確認・理解したうえで利用しましょう。
(5)ペットは生き物であることを十分に考慮し、安易な購入は避けましょう。
ペットは購入したら終わりではなく、飼い主はその命に責任を持って飼育を
しなければなりません。将来においても飼い続けることができるのか検討した上で
購入しましょう。契約する際は、自らの住居環境や生活環境に加え、家族の意思や
アレルギーの有無等も確認し、本当にペットを迎え入れることができるのか
よく考えてください。見た目の可愛さに一目ぼれして安易に購入することは避け、
冷静に考えましょう。
(6)不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談。
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